クリスティアーノ・ロナウドの過去のトラブルには、審判への行為による出場停止、スペインでの税務事件、観客のスマートフォンをめぐる問題、マンチェスター・ユナイテッド退団、米国での性的暴行の申し立てに関する手続きがあります。ただし、処分や裁判の結末はそれぞれ異なります。
古いニュースを検索すると、「疑惑が報じられた時点」と「その後の判断」が別々に出てきます。見出しだけで、すべてを犯罪や未解決事件としてまとめるのは正確ではありません。
この記事では、2017〜2023年に処分・判断などを確認できた主要5件を整理します。歴代の騒動を網羅する記事ではなく、何が起き、誰がどのような判断をしたのかをたどる解説です。

昔の見出しは覚えていても、その後どうなったかは曖昧になりがちです。まず「出来事」と「結末」をセットで確認してみます。
ロナウドの過去のトラブル一覧|何が起き、どうなった?
| 時期 | 出来事 | 確認できた処分・判断 |
|---|---|---|
| 2017年8月 | 退場後に審判を押した行為 | 退場による1試合と、押した行為による4試合で計5試合の出場停止。RFEFの不服審査でも維持 |
| 2019年1月 | スペインでの税務事件 | 4件の税法違反について有罪。転載された判決文には拘禁刑を罰金刑に置き換える記載 |
| 2022年4月/11月 | 観客のスマートフォンをめぐる行為/FAの処分 | FAが2試合の出場停止と5万ポンドの罰金、警告を発表 |
| 2022年11月 | インタビューでクラブ・監督を批判、その後マンU退団 | クラブの公式発表は「双方合意による即時退団」 |
| 2019年/2022〜2023年 | 米国での性的暴行の申し立てに関する刑事・民事の手続き | 2019年に訴追見送り。民事訴訟は2022年に棄却され、2023年に控訴審が支持 |
表の出典は各項目で示します。「有罪」「出場停止」「契約終了」「訴追見送り」は、同じ意味ではありません。
2017年:審判を押し、合計5試合の出場停止
2017年8月13日、スペイン・スーパーカップのバルセロナ戦で、レアル・マドリード所属のロナウドは2枚のイエローカードで退場となりました。審判の報告には、退場を告げられた後、不満を示して審判を軽く押したと記されています。
RFEF(スペインサッカー連盟)の決定では、2度の警告による退場で1試合、審判を押した行為で4試合、合計5試合の出場停止です。8月16日の不服審査では、クラブの申し立てを退け、処分を維持しました。
「審判を押したため5試合」と要約されることがありますが、内訳は1試合+4試合です。ここで確認できるのは競技上の懲戒処分であり、刑事裁判の有罪判決の話ではありません。
出典:RFEF不服審査委員会の決定(2017年8月16日、PDF)。
2019年:スペインの税務事件は有罪|収監とは分けて理解
2019年1月22日、ロナウドはスペインで4件の税法違反について有罪となりました。問題となったのは2011〜2014年分の税務処理で、肖像権収入に関する事件です。単に疑惑が報じられただけで終わった事案ではありません。
当時の報道には、総額1880万ユーロの支払いを受け入れたという説明があります。ただし、税金・利息・罰金を含む支払いの話と、刑罰として科された罰金の金額を一緒にすると、数字の意味が変わります。
「懲役」「執行猶予」「罰金」の見出しが混在する理由
報道では「執行猶予付き」などと要約されることがあります。一方、Mundo Deportivoが全文掲載した判決文には、個々の拘禁刑と罰金を示したうえで、拘禁刑を罰金刑に置き換える内容が記載されています。
そのため本記事では、刑期の数字だけを切り取らず、「有罪判決を受けたが、この判決により収監されたという意味ではない」と整理します。「刑務所に入らなかったから無罪だった」という理解も正しくありません。
出典:Mundo Deportivo掲載の判決全文(2019年1月23日)/AFPの判決報道(2019年1月22日)。

「有罪だったか」と「実際に収監されたか」は別の確認事項なんですね。支払いの総額も、すべてが罰金なのかを見ておきたいところです。
2022年:スマートフォン問題でFAが処分
2022年4月9日のエバートン対マンチェスター・ユナイテッド戦後、ロナウドが観客の手からスマートフォンを払い落とした問題が報じられました。ロナウドは試合後の自身の振る舞いについて謝罪しています。
同年11月23日、イングランドサッカー協会(FA)は、2試合の出場停止と5万ポンドの罰金、今後の行為への警告を発表しました。FAによると、本人は不適切な行為を認め、独立規律委員会は不適切かつ暴力的な行為と判断しました。
出来事が起きた4月と、FAが処分を公表した11月は別です。また、この処分と、次に紹介するマンU退団は別の発表です。日付が近いからといって、スマホ問題を退団理由と断定することはできません。
出典:FA公式処分発表(2022年11月23日)/Sky Sportsの謝罪報道(2022年4月)。
2022年:マンU退団の公式説明は「双方合意」
2022年11月、ピアーズ・モーガンのインタビューで、ロナウドはクラブに裏切られたと感じていることや、エリック・テンハフ監督への不満を語りました。発言は大きく報じられ、その後クラブを離れることになります。
11月22日のマンチェスター・ユナイテッド公式発表は、双方の合意によって即時退団するというものです。「批判インタビュー後の退団」という経緯と、「合意による契約終了」という公式の扱いを分けて押さえる必要があります。
「解雇された」と言い切ると、公式発表の表現から外れます。クラブとの関係が問題となった出来事ですが、競技団体の出場停止や刑事罰と同列には扱いません。
出典:マンチェスター・ユナイテッド公式声明(2022年11月22日)/PA通信による退団までの時系列(Jersey Evening Post掲載)。

スマホの処分と退団が、ほぼ同じ時期に報じられたんですね。同じ年のニュースでも、原因まで一つにつなげないようにします。
米国の性的暴行の申し立て:訴追見送りと民事訴訟の棄却
2009年のラスベガスでの出来事をめぐり、ロナウドは性的暴行を申し立てられました。本人は性的暴行を否定し、関係は合意に基づくものだったとしています。この件では、刑事手続きと民事訴訟の経過を分ける必要があります。
2019年:検察は刑事訴追を見送った
2019年7月、クラーク郡の検察は、合理的な疑いを超えて立証できないとして訴追しないと発表しました。これは刑事裁判で無罪判決が出たこととは異なります。同様に、申し立てがあったことだけで有罪と扱うこともできません。
2022年に民事訴訟が棄却され、2023年に控訴審が支持
民事訴訟は2022年に棄却され、2023年11月21日、第9巡回区控訴裁判所がその判断を支持しました。控訴審の文書では、原告側代理人が不正に流出した弁護士・依頼者間の秘密資料を入手・利用したことなどが問題とされています。
この棄却は代理人の訴訟上の行為に関する制裁を理由としており、申し立ての事実関係が虚偽だったと認定した判決、と言い換えることはできません。「訴追されなかった」「民事訴訟が棄却された」という確認できる結果までを、正確に伝える必要があります。
出典:クラーク郡検察の2019年7月22日付発表の写し(PDF)/第9巡回区控訴裁判所の判断(2023年11月21日、Justia掲載)/AP通信の控訴審報道(KTNV掲載)。

「訴追見送り」「民事の棄却」「無罪判決」を、同じ言葉のように使わない。結末を見るときも、何を理由にした判断なのかが大切ですね。
このは整理図|トラブル記事は「判断した主体」で読み分ける
審判への行為/スマホ問題
↓
出場停止・罰金など
マンU退団
↓
双方合意の契約終了
税務/米国の手続き
↓
事件ごとの訴追・判決・棄却
当ブログの読み分け図です。競技上の処分は刑事有罪を意味せず、契約終了や訴訟の棄却も、それぞれ理由を確認します。
よくある疑問|逮捕・収監された?全部解決した?
ロナウドは税務事件で刑務所に入った?
上で取り上げた2019年の税務判決について、収監されたという説明は適切ではありません。有罪判決と、判決文にある拘禁刑から罰金刑への置き換えを分けて理解してください。「懲役」という見出しだけから逮捕や収監まで推測しないことが大切です。
過去のトラブルは、すべて解決済み?
この記事で確認した主要事案には、上記の処分・判断があります。ただし、これはロナウドに関するあらゆる手続きや報道を網羅して「すべて解決」と保証するものではありません。新しいニュースを読む際は、対象の出来事と発表日を確認しましょう。
逆張りの視点:騒動の数を増やせば、人物が分かる?
小さな口論や未確認の噂まで並べても、その人物を正確に理解できるとは限りません。批判する場合も擁護する場合も、確認できる行為と判断の範囲を超えて、人格や私生活全体を断定しない読み方が必要です。
【50代研究員のまとめ】昔の見出しより、その後の結末を確かめる
ロナウドの過去のトラブルには、実際に有罪判決や競技上の処分を受けた事案があります。一方、米国の申し立てについては刑事訴追が見送られ、民事訴訟では代理人の行為を理由とした棄却が控訴審でも支持されています。

印象に残る見出しほど、「その後」を読み直したいですね。何年の出来事か、誰の判断か、何が決まったか。この3つを確認して受け止めます。
検索で過去の記事を見つけたら、発生日・処分日・裁判の判断日を照合する。それだけでも、疑惑と確定した事実、別々の出来事を混同しにくくなります。
資料確認:2026年10月20日。対象は本文に記した主要事案と確認できた手続きです。最新の全報道・全手続きを網羅するものではありません。研究員は説明用キャラクター、アイキャッチは資料整理を表現したイラストで、本人や実際の事件を描いたものではありません。


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